Statcast モード

Hawk-Eye トラッキングデータを使って実際のMLB投球をシミュレーション

概要

Statcast モードでは、MLB の実際の試合から投球データを取得してシミュレーションできます。Hawk-Eye システムが計測したすべてのデータ(球速、回転数、回転軸、リリースポイント)が、そのまま物理エンジンに入力されます。

投手の検索

  1. 検索ボックスに投手の(例: “Ohtani”)を入力
  2. 同姓の投手がいる場合はも追加
  3. 年度を設定(2016年〜現在、デフォルト: 2025年)
  4. Search をクリック、またはEnterキーを押す

検索結果には、一致した選手のMLB IDと在籍年が表示されます。選択した年度にデータがない場合は警告が表示されます。

ヒント

入力中にオートコンプリートが候補を表示します。フルネームを入力する必要はありません。

試合の閲覧

投手を選択すると、登板した試合の一覧が表示されます。各エントリには以下が含まれます:

  • 試合の日付
  • 投球数
  • 使用した球種(例: FF, SL, CU, CH)

試合をクリックすると、1球ごとのデータが読み込まれます。

投球の選択

投球リストには、その試合のすべての投球が表示されます:

説明
# 試合中の投球番号
Type 色分けされた球種バッジ
Speed 球速(km/h)
Spin 回転数(rpm)
Inn イニング
Result 投球結果(ストライク、ボール、ファウルなど)

1球を選択

投球をクリックし、Simulate Selected Pitch をクリックします。

複数球を選択

  • Cmd/Ctrl + クリック — 個別の投球をトグル選択
  • Shift + クリック — 範囲選択
  • リスト上部の球種ボタン(例: “All FF (12)”)をクリックすると、その球種をすべて選択
  • ボタンが “Simulate N Pitches (Overlay)” に変わり、選択したすべての投球がシミュレーションされ自動的にオーバーレイ表示されます

表示される情報

シミュレーション後、左パネルに以下が表示されます:

  • リリース位置 (x, y, z)(メートル)
  • 速度ベクトル (v₀, θ, φ)
  • 回転分解 (Backspin, Sidespin, Gyrospin(rpm)、および Spin = |ω|(rpm))
  • 角速度 (ωx, ωy, ωz(rad/s)、および |ω|(rad/s))
  • Spin efficiency と回転軸角度
  • ホームプレート通過点 — シミュレーション値 vs Statcast実測値、差(cm)
  • Spin movement — 回転による水平・垂直方向の変位(cm)
  • 打者のストライクゾーン — 打者ごとに調整(Statcastのsz_top, sz_bot)

物理モデルオプション

投球リスト上部のツールバーに、シミュレーションの物理計算を制御するオプションがあります:

CL モデル

CL モデルセレクタは、軌道シミュレーションと回転効率推定の両方に使用される揚力係数モデルを決定します:

選択肢 モデル 説明
CL Nathan 2020(デフォルト) \(C_L = 0.336\,[1 - e^{-6.041\,S}]\) Nathan (2020) の指数型フィット。風洞実験とモーションキャプチャデータに基づく
CL Rational (old) \(C_L = 1.045\,S\,/\,(0.583 + 2.333\,S)\) 旧有理関数型モデル
CL Rational cl2=1.12 \(C_L = 1.12\,S\,/\,(0.583 + 2.333\,S)\) NathanのオリジナルExcelスプレッドシートの値

ここで \(S = r\omega_T / v\) はスピンファクターです。

ノート

CL モデルは軌道積分とpfxからの回転効率推定の両方に影響します。シミュレータは常にこれらを一貫させ、同じモデルを両方に使用します。

Accel ω

Accel ω チェックボックスは、角速度の推定方法を切り替えます:

  • オフ(デフォルト):pfx(回転による変化量)からMagnus加速度を \(a_M = 2\,\text{pfx} / t^2\) として推定し、xz平面でのpfx方向からtransverse spin軸を導きます。
  • オン:Nathan (2020) の加速度ベース手法を使用。Statcastの実測加速度 (ax, ay, az) からMagnus加速度を直接抽出します:
    1. 重力を除去
    2. 平均速度方向への射影でドラッグを分離
    3. 残りがMagnus加速度(Nathan Eq. 6)
    4. Transverse spinの方向は3D外積 \(\langle\hat{v}\rangle \times \hat{a}_M\) で計算(Nathan Eq. 10)

加速度法はより厳密なドラッグ–Magnus分離を行うため、pfx法と比べて一般的に低い回転効率(より多くのジャイロスピン)を推定します。

ヒント

  • 打者シルエット3D打者フィギュアは、Statcastデータの打者の打席(R/L)に自動対応します
  • 投手シルエットは投手の投球腕に応じて左右反転します
  • 複数投球をオーバーレイすると、Overlay Statistics パネルが自動表示され、全パラメータの平均値・標準偏差・最小値・最大値が確認できます